土佐国分寺跡 - 天平13年(741)聖武天皇「国分寺建立の詔」発布

国史跡・土佐国分寺跡(南国市国分)

[ 高知県南国市国分・国分寺  ]


国史跡・土佐国分寺跡は、現在は四国八十八ヶ所霊場・第29番札所 国分寺になっちょります。

国分川右岸から、国分寺の森方向を見ると沃野の大地にゃ、秋の恵みが黄金色に実っちょりました。

土佐国分寺は、天平13年(741)に聖武天皇が仏教による国家鎮護のために発した「国分寺建立の詔」により全国に建立された国分寺(金光明四天王護国之寺)の一つで、『続日本紀』に天平勝宝8年(756)、土佐を含む26か国の国分寺に仏具等を下賜したことがみえるため、この年以前には創建されていたとみられと言う。

国指定・史跡 土佐国分寺跡

指定年月日 : 大正11年10月12日

土佐国分寺は、奈良時代創建の国分僧寺跡で、寺院跡周辺には寺域を画する土塁や基壇状の土壇が遺存し、布目瓦・土器片などの散布をみることから大正11年(1922)に国の史跡となった。
しかし、特に最近、昭和62年(1987)以降の4次にわたる学術調査を中心とする発掘によって新知見も生まれた。
例えば、現在残っている土塁の4分の3は近現代の盛土で、その下から土塁状段状地形と遺構が検出され、これの存在から創建当時の寺域は方500尺であることが判明した。
また、現金堂の位置に創建当時の金堂が存在し、7間×4間または5間×4間の規模も推定できるし、金堂の北部に掘立柱建物の僧房跡も検出されている。
しかし、東大寺式の伽藍(からん) 配置であることに変わりはない。

【 参考・引用 】  国指定 史跡  -高知県教育委員会文化財課-





国分寺建立の詔(現代語訳) (『続日本紀』天平13年3月乙巳(24日)の条)

私は徳の薄い身であるのに、おそれ多くも天皇という重い任務を受けている。
しかし、民を導く良い政治を広めることができず、寝ても目覚めても恥ずかしい気持ちでいっぱいだ。
昔の賢い君主は、みな祖先の仕事をよく受け継ぎ、国家はおだやかで無事であり、人びとは楽しみ、災害はなく幸福に満ちていた。
どうすれば、このような政治ができるのであろうか。
この数年は、凶作がつづき伝染病が流行している。
私は恥かしさとおそろしさで自分を責めている。
そこで、万民のために大きな幸福を求めたい。
以前(天平9年11月)、各地の神社を修造させたり、諸国に丈六(一丈六尺=約4.8m)の釈迦牟尼仏一体を造らせるとともに、大般若経を写させたのもそのためである。
おかげで、今年は春から秋の収穫の時期まで風雨が順調で五穀も豊かに稔った。
これは、誠の心が伝わったためで、神霊のたまわりものである。
その霊験はまったくおそろしいほどである。
金光明最勝王経には『もし広く世間でこの経を読み、敬い供養し、広めれば、われら四天王は常に来てその国を守り、一切の災いもみな取り除き、心中にいだくもの悲しい思いや疫病もまた消し去る。そしてすべての願いをかなえ、喜びに満ちた生活を約束しよう』とある。
そこで、諸国にそれぞれ七重塔一基を敬って造り、併せて金光明最勝王経と妙法蓮華経を各十部ずつ写経させることとする。
私もまた、金文字で金光明最勝王経を写し、塔ごとに一部ずつ納めたいと思う。
これにより、仏教の教えが大空・大地とともにいつも盛んに続き、仏のご加護が現世でも来世でも常に満ちることを願う。
七重塔を持つ寺(国分寺)は「国の華」であり、必ず良い場所を選んでまことに長く久しく保つようにしなければならない。
人家に近いときは悪臭が漂うような所ではよろしくないし、遠いときは集まる人を疲れさせてしまうようでは望ましくない。
国司は国分寺を荘厳に飾り、いつも清潔に保つように努めなさい。
間近で仏教を擁護する神々を感嘆させて、神仏が進んでこの国を守護してくださるようになってほしいのだ。
全国にあまねく布告を出して、私の思っていることを知らせなさい。

〈条文〉

第一条
 国毎の僧寺(国分僧寺)には、寺の財源として封戸を五十戸、水田十町を施し、尼寺(国分尼寺)には水田十町を施しなさい。

第二条
 僧寺には必ず二十人の僧を住まわせ、その寺の名は金光明四天王護国之寺としなさい。
 また、尼寺には十人の尼を住まわせ、その寺の名は法華滅罪之寺としなさい。
 二つの寺は距離を置いて建て、僧尼は教戒を受けるようにしなさい。
 もし僧尼に欠員が出たときは、直ちに補充しなさい。
 毎月八日には、必ず最勝王経を読み、月の半ばには戒と羯磨を誦えなさい。

第三条
 毎月の六斎日(八・十四・十五・二十三・二十九・三十日)には、魚とりや狩りをして殺生をしてはならない。
 国司は、常に監査を行いなさい。

【 参考・引用 】 
「国分寺建立の詔」 武蔵国分寺跡資料館解説シート No.2
発行:2016年3月




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