法経堂 1 - 「ケチ火」伝承の残る法経堂跡までの道筋

法経堂への道(高知市一宮)
一宮西町にある西天神社

[ 高知県高知市薊野~一宮周辺  ]


今回は「ケチ火」伝承の残る、高知市薊野と一宮境界線に位置する西ノ峰山の法経堂跡までの散策記録なが。

土佐神社の方から登るコースもあるけんど、今回は一宮西町にある西天神社の方から登ってみたがです。

西天神社 - 境内社に乙女神社があった  2010-09-17

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ところで、「ケチ火とはなんぜよ」とお思いの方も居ると思いますが、「ケチ火」とは怪火の事で、ヒダマ(人魂)とは違うがですき。

市原麟一郎の『土佐の妖怪』にも、「ケチビ」 は「怪火」 と書くとある。

また、桂井和雄の『土佐民俗記』にゃ下記のようにも記されちょります。

ケチビとヒダマ

・・・・・ヒダマはヒトダマ(人魂)等と云い、ケチビの詞と共に土佐の到る処でいわれる怪異の一つであるが、草履の裏へ唾をつけて招くと寄って来るとも云われている。

ケチビ(怪火)とヒダマは同一の怪異の内容をもって語られることが多いが、ある古老の話ではケチビは野に一ぱいチラチラとあかっていて、大きく一つになったり消えたりする怪火で、ヒダマはボーっと一塊になって長く尾を引いて飛ぶものであると区別しているのに出逢ったことがある。 

橋上村野地で、一夜七十二歳の老人から聞いた若い頃のケチビの実見談は、田圃一ぱいにチラチラ動いて燃えるように見えたが、それが見ている中に一つになったりしたと云い、本人は狸の火であると思っていて上手に化かすものだと語っていた。

【 参考・引用 】  『土佐民俗記』 桂井和雄・著 昭和23年


俗に、人が灯してもいないのに火が燃える現象の、鬼火とか狐火とか呼ばれる類も、ケチビじゃと思います。

と、まあ不思議な事やあやしくはっきりしない物事を指す怪奇現象の一つで、「ケチ火」の話は特に土佐に多いそうで、高知市内近辺にも沢山残っちょります。

例えば、高知市の南に東西に連なる南嶺の尾根の一つ、鷲尾山にはこんな話が。

鷲尾山の怪火

慶応元年(1865)、鷲尾山の南西法経堂の洞穴から夜な夜な怪火が出て城下の方へ飛んでゆく噂がパッと拡がった。
諸木の商人が夜に入って城下から帰る途中その怪火に会い死んでしまった。
この事を聞いた諸木乗林寺の高僧は深更を期して登山し怪火の出るのを待ち受けた。

丑満頃白衣の美人が現われ悄然と和尚の前に立った。
和尚は「心残りがあれば言うて見よ」と尋ねた。

女は本町の良家の娘でお鷹といい帯屋町のさる大家の次男坊源次郎と深い仲となりその年の九月上旬二人は鷲尾山へ登って甘い恋に陶酔したが、つるべ落しの秋の日が西山に沈んだ頃お鷹は悲鳴をあげて倒れたのを源次郎が介抱したが既に絶命していた。

その夜から鷲尾山へ火が出るようになった。
それだけなら何んでもないが、更らに幽霊は、「その時、私のさしていた大事の簪を抜きとり、これを別の女に与えたので恨んで居る」と答えた。

和尚は、その翌日源次郎に会い簪をとり返し、法華経一巻と共に埋めて供養したので怪火は出なくなった。

【 参考・引用 】
 『土佐奇談実話集』 各地の怪奇談より 小島徳治・著(昭和32年)



法経堂への道(高知市一宮)

前置きが長うなったけんど、西宮神社から北に800m程行くと高知ICの北側に出ます。

ここらで標高が約43mです。

写真の右側に立て札が建っちょります、ここは「ゴゼガ谷の築池」と言う溜池ながでして、ここに自転車を止めて歩いて登ります。

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法経堂への道(高知市一宮)

ガードレール沿いに登り始めて、直ぐ右手(北側)に、最初の目標地点が見えちょります。

法経堂への道(高知市一宮)

振り返ると、高知道が横を走っちょりますが、ここらで標高が約70mです。

法経堂への道(高知市一宮)

「ゴゼガ谷の築池」から5分程の所までは舗装されちょり車では来られますが、ここからはゴツゴツした狭い山道になりやがて急勾配の苔生したセメント舗装された道が約30m続いちょります。

多分、雨上がりにでも行ったら、普通の靴なら絶対に滑るんじゃないかと思われるような傾斜ながですき。

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法経堂への道(高知市薊野)

右側は崖の2m程の狭い急坂を登り詰めると 、下で見た最初の目標地点にでます。

ここで、標高は約120mですから、「ゴゼガ谷の築池」から約80m登って来ました。

所要時間約10分。

ここは、産業廃棄物の処理場のようですが、稼働していないのか廃墟のような感じに見えます。

この先約50~60mから、また山道に入って行きます。

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法経堂への道(高知市薊野)

この道は、笹ヶ峠の方に抜ける道のようで、約100m行くと右手山側に下記の標識が建っちょります。

法経堂への道(高知市薊野)

標識にゃ、法経堂まで540mとある。

標高約136m、「ゴゼガ谷の築池」から地図の平面距離で700m程じゃと思われます。

いよいよ、ここからが本当の山道ですが、ここから法経堂までの途中の標高は不明で、地図上の直線距離で約400mです。

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法経堂への道(高知市薊野)

所々に、道筋を示す目印のピンクのリボンが結ばれちょりますき、迷う事はないと思います。

法経堂への道(高知市薊野・一宮)

最初は雑木林ですが、其のうち法経堂近くまでは竹林に変わるがです。

法経堂への道(高知市薊野・一宮)

標識にゃ、法経堂まで350mとある。

手前の540m標識から約5分ですき、比較的なだらかな登りでした。

法経堂への道(高知市薊野・一宮)

ここら辺りから、また傾斜が出てきます。

法経堂への道(高知市薊野・一宮)

竹林からまた雑木林に変わり、次第に大きな岩が周囲に見えて来ると、間もなく法経堂に到ります。

法経堂への道(高知市薊野・一宮)

やがて平坦地になり、木々の先に標識とこんまい(小さな)祠が見えて来ます、ここが目的の法経堂跡ながです。

法経堂への道(高知市薊野・一宮)

ここから、高知市の東側の五台山や高須方面の眺望が眼下に広がっちょります。

標高約253m。

自転車を止めた溜池からは、高低差約210m、所要時間約30分、全行程約1.3Km程(地図上の距離)で、途中急勾配の場所があったけんど比較的登りやすい山道でした。

ここに、祠の他に何があるかは、次回に・・・・・。


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