八州大膳神社 - 八州大膳狸は伊予松山の総帥狸・隠神刑部の客分

八州大膳神社

[ 高知県高知市五台山 ]


昭和32年に出版された『土佐奇談実話集』のP235に、下記のようなお話があるがです。

八州の狸  (五台山)

長岡郡五台山村(現・高知市)の八洲の「狸さま」は下田堤に小さな祠があったが、戦争中に花柳界の人達が喜捨して立派な堂と鳥居ができ、また裏の池の中には「浮御堂」もあってここで宴会をすると御利益があるというので一時は料理屋のようになっていた。

幕末、長岡郡稲生村に亀作と云う馬鹿者があった。

御利益のある事が言いふらされると、「狸が何んならや」と夜中祠の中へ鉄砲を撃ち込んだ。

家へ帰ってみると一面火の海となっていた。

火事かと思ったが火の色が赤くない、青い火がメラメラとゆらめいていた。

「八洲の狸か!ワヤにすな(馬鹿にするな)、さては仇討に来たか、法外な奴ネヤ」

又も一発妖火の中へ撃ち込んだ、妖火は一度に消えた、それから四十日ばかりして亀作は頓死した。

八洲の崇りだと言われた。

【 参考・引用 】  『土佐奇談実話集』 小島徳治・著


そんで、地図で探して見たら、五台山の南の下田川の左岸、新五台山橋を渡った所に八州池と大膳神社があったき、早々に行ってみたがです。

八州大膳神社

ここは、御祭神として祀られちょるのが「狸」。

そんで入り口の鳥居脇にゃ、ちょっとユーモラスな表情の狛犬ならぬ「狛狸」が左右に阿吽の形相で鎮座しちょります。

八州大膳神社

最初の写真の拝殿部分にあたる御社にゃ、仔細はよう判らんけんど観音様も祀られちょるようで神仏合祀のようです。

八州大膳神社

拝殿部の左脇を奥に行くと、此処が本殿じゃろーと思うけんど、「御けんぞく様」と言う扁額のかかった真っ赤な御社があるがです。

この「御けんぞく様(御眷属様)」とは、本来、神の使者と言う意味で動物の姿、または、動物にみえる超自然的な存在も意味するようで、龍神様や狐(稲荷)、それに蛇神や犬神等がそうながです。

その中に「狸」も含まれちょるようです。

拝殿が赤(朱)いのは、古代の古墳の石棺の中に朱が使われちょりますが朱色の材料は貴重じゃったようで、身分の高い事を意味するのと、魔力に対する魔除けの意味もあるようながです。

お稲荷さんの場合は、「稲荷大神様の力の豊穣を表す色」とされちょります。

つまり赤(朱)は、パワーと言うか権力の象徴じゃと思われます。

「狸」の話にもどるけんど、四国も狸天国でジブリの「平成狸合戦ぽんぽこ」ならぬ『松山騒動八百八狸物語』や『阿波の狸合戦』と言うお話もあるくらいながです。

伊予松山にゃ、松山城を守護し続けていたと言われちゅう伊予松山の狸の総大将で、八百八匹もの眷属を従えることから八百八狸とも呼ばれちゅう「隠神刑部」。

讃岐(香川県)にゃ、「屋島の禿狸(太三郎狸)」。

阿波徳島は、「金長狸」が有名ながです。

そんで此処に祀られちょる大膳大神と言う狸は、愛媛県出身の富田狸通と言う人の書いた『伊予狸番付』にゃ、金長狸や六右衛門狸の共に客分として記されちょり、土佐じゃ位の高い御狸さまじゃと言う事ながです。

その土佐の偉い御狸さんも、昔は悪さばかりをする悪戯狸じゃったようで、ある時、五台山竹林寺の和尚さんが「人のためになることをするように」と言って、此処、八州に閉じ込めて祀たがじゃそうですき・・・・・。


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