独鈷水 - 弘法大師伝説の残る湧き水

独鈷水と厳島神社

[ 高知県高知市吸江・五台山 ]


高知市の東にある五台山南面の麓に、弘法大師伝説の残る「独鈷水」と呼ばれる湧き水があるがです。

独鈷水と厳島神社

標識の方向に上って行くと、岩盤を背後にして、石段の上に祠が鎮座しちょります。

これが、「厳島神社」の拝殿です。

独鈷水と厳島神社

周囲に耳をそばだてると、チョロチョロと水の流れる音がするので、水音の発信源を探してみると、如何やら祠の背後の岩盤の割れ目から流れでちょるようです。

流れ出る様は目視で確認する事は出来んがですが、此処が弘法大師伝説の「独鈷水」の湧き出し水源のようですねー。

この五台山の頂上の方にゃ四国霊場第三十一番札所・五台山竹林寺があるがですが、昔、弘法大師がこの竹林寺で修行した時の事じゃけんど、堂宇(堂の軒、堂の建物)を補修するとき投げた独鈷が岩に当り、そこから水が湧き出たと言う伝説が「独鈷水」ながです。

以前、御紹介した 四国霊場第三十六番札所・独鈷山清瀧寺も「独鈷」に関する場所で、名前に「独鈷」とあるように弘法大師が唐から日本に向かって投げた三つの法具(独鈷、三鈷、五鈷)の内の「独鈷」の落ちた場所と言う弘法大師伝説の地でじゃった。

因みに三鈷は高野山に、五鈷は足摺岬に落ちたと言う・・・。

青龍寺 - 四国霊場第三十六番札所 2013-10-09

この「独鈷水」は「吸江十景」の一つとされちょりますき、その昔は水の流れ出る様が見えよったがでしょうねー。

因みに「吸江十景」とは 室町幕府・足利尊氏の政治顧問として活躍した夢窓疎石が文保2年(1318)土佐へ来て、五台山の山麓に吸江庵を設け足利幕府に手厚く保護され、海南の名刹として知られたお寺じゃけんど、その夢窓疎石が、眼前に広がる浦戸湾の風景を中国の西江に見立て「吸江」と名付け、十景を選び風景を楽しんだのが「吸江十景」ながです。

吸江十景 - かって在った風景 2010-03-13
吸江庵跡 - 坂本龍馬も此処から浦戸湾を眺めたろー 2013-07-16

ついでに「吸江十景」の御紹介を。

①「泊船岸」:現在の護国神社の前で、法師ヶ鼻の辺り。

②「白鷺州」:吸江沖の砂洲じゃけんど、現在は埋め立てじゃ何やで干潮時に一部が見えるけんど・・・。

③「玄夫島」:吸江沖の岩礁で形が亀に似いちゅう事から玄夫島と言い、俗に黒磯と言う。

ここも、よう判らんですが干潮時に青柳橋を渡りよったら見える、岩礁じゃろーか・・・?

捕鯨砲の試し撃ちをしよった場所 - 鉄砲島 2010-05-24

④「見国嶺」:五台山西峰、展望台のある辺りの奇岩。

⑤「潮香洞」:現在の土佐神社離宮(通称、小一宮(こいっく)様」)の付近。

⑥「独鈷水」

⑦「雨華巌」:独鈷水の下流が岩に落ちて砕ける所とあるけんど、現在は消滅・・・。

⑧「呑海亭」:吸江寺の前の磯にあったと言うが、消滅・・・。

⑨「粋適庵」:吸江寺の後方の山中にあった夢窓疎石の参禅の場所じゃったそうですが、此処も消滅・・・。

⑩「磨甎堂」:粋適庵の南にあったと言うが、消滅・・・。

【 参考・引用 】 『高知市史跡めぐり』 橋詰延寿・著 昭和44年刊


独鈷水と厳島神社

独鈷水と厳島神社

岩の間から数本もの配管が引かれ、「独鈷水」は配管を通して麓へと流れちょりますが、一般家庭で利用しゆうがですろーかねー・・・。

独鈷水と厳島神社

独鈷水のある場所は、鳥居の変額に「厳島神社」と書かれちょり、総本山は広島の「厳島神社」ですき御祭神は宗像三女神の市杵嶋姫命を祀っちゅうがでしょう。

宗像三女神とは神話に登場する、市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)、田心姫命(たごりひめのみこと)、湍津姫命(たぎつひめのみこと)の三人の女神を言う。

此処も明治維新の神仏分離と神道国教化政策(廃仏毀釈)によって、神道の神社「厳島神社」に変わったがじゃと思うがです。

と言うのは市杵島姫命は神仏習合時代には仏教の女神・弁才天と同一視されちょりましたき、、明治維新までは水の神さんでもあった弁天様(弁才天)が祀られちょったがでしょう。


MapFan地図へ
関連記事

  



0 Comments

Leave a comment